スター・ウォーズの「夢の塊」

執筆者:鈴木邦宏2002年9月号

 現在公開中の映画『スター・ウォーズ・エピソード2』。毎回莫大な興行収入をあげるシリーズの第五作である。この映画、独特の世界観や視覚効果に加え登場する乗り物の人気も高い。同映画関連グッズの商品化には、ルーカスフィルムという会社の承認が商品ごとに必要だ。取得しているのは有名企業ばかりだが、プラモデルに限っていえば、愛知県豊橋市にある社員数六人の小さな会社、ファインモールドが世界でただ一つの製造メーカーである。「十五年前、たった一人、アパートの一室でこの会社を興しました。元手は十万円。その頃、個人が少量生産で販売するガレージキットという模型が流行りかけていて、これはチャンスと思いました。職を転々としていた僕は、好きなプラモデルに関わりたくて、当時プラモデル会社の下請けの金型屋に勤めていたんです。プロの技術を習得したプラモデルマニアの僕なら、ガレージキットに絶対負けないプラモデルを製造できると思い独立したんです」 そう語るのは、同社の創業社長である鈴木邦宏氏(四四)。が、田宮模型、バンダイの二社でおよそ五〇%のシェアを占める日本の模型市場は六百億円規模。その中にあってファインモールド社はなぜルーカスフィルムに承認されたのだろうか。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。