北京で外国人や外国企業による不動産投機の動きが出ている。中国では長らく、中国人以外による不動産取得を一部の地域・建物にしか認めていなかったが、九月一日付で北京市当局が市内のすべてのマンションや戸建て住宅について外国人にも購入を認めると発表したためだ。 北京市内は中国のWTO(世界貿易機関)加盟を受けての外資企業の進出ラッシュや二〇〇八年のオリンピックを目指した開発プロジェクトで好景気に沸いており、中心部に近いマンションは人気が高まっている。在住外国人の間では「今後、数年以内に人民元が二〇%程度は実質切り上げになる」との予測も広がっていて、値上がりと為替差益の両方を期待する投機資金が住宅市場に流れ込み始めた模様だ。 外国人向け最高級マンションといわれる「北京現代城」は一平米あたり千二百―千五百ドルで分譲されていたが、北京市民向けのものならば、ほぼ同様の物件で価格は五分の一。一等地のマンション立地は限られており、複数の部屋を買って賃貸にまわしながら値上がりを狙う台湾人、香港人なども不動産屋に押しかけている。

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