東証一部上場の食品大手、日本製粉(ニップン)の隠蔽体質が、同業者や証券関係者の間で問題視されている。きっかけは、連結子会社の日本フレッシュデリカで六月に起きたコンビニ向けおにぎりへの人肉混入事件。従業員の指先の一部が混じった商品が仙台市内のローソンで販売されたことが、顧客の指摘から明らかになった。 問題はその後の対応だ。日本フレッシュデリカこそいまだ営業停止中だが、ニップンは三カ月以上を経ても、「お詫び」の類はおろか、ニュースリリースひとつ発行していない。八月にはホームページの関係会社一覧から、日本フレッシュデリカを削除した。 問題子会社隠しと指摘されてもIR(投資家広報)担当者がその場で謝罪するだけ。株主総会でも人肉混入は触れられず、「きわめて優秀な総会対策」(証券関係者)と揶揄する声もある。 一部の投資家には要注意銘柄と目され始め、業績は悪くないのに、ニップンの株価は低迷中。「底支えしているのは、公的年金資金など政府のPKO(株価維持策)筋くらいで、買いの理由は日経平均株価の算定銘柄だからというだけ」とさえクサされている。

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