台湾の陳水扁総統は今年から国賓歓迎宴のやり方を大きく変えた。それまでは首都・台北の総統官邸か、老舗のホテル「圓山大飯店」で行なっていたのを、地方で開くようにしたからだ。陳総統になって国賓歓迎宴は中国料理ではなく台湾料理になるなど様変わりしているが、「饗宴革新」はいまなお進行中である。 八月二十日、南米パラグアイのゴンサレス・マキ大統領夫妻が国賓として訪れた際の歓迎宴は、台湾中部の雲林のホテル「剣湖山飯店」でもたれた。そこでのメニューは次のようなものだった。山薬鮭魚卵(山芋とイクラの料理)龍蝦美併盤(イセエビの蒸し物)家郷芋籤カ(里芋のモチ)百花鱒魚巻(マスの蒸し煮)剣湖山鶏チュウ(地元鶏の料理)焼汁駝鳥排(ダチョウの焼き物)古坑竹筒飯(タケノコご飯)ダイ酪香瓜チュウ(まくわ瓜のデザート)雲林水果郷(雲林の果物) いずれも台湾料理で、ほとんどが地元の食材を使っている。ダチョウも地元産である。タケノコご飯は、陳総統夫人の呉淑珍さんの好物という。 なぜ地方で外国元首の饗宴をもつようになったか。七月、ハイチのアリスティド大統領のときは台湾中部の彰化県のホテルで、三月に台湾を訪問したアフリカ・チャドのデビ大統領夫妻のときは中部・嘉義市のホテルが会場となった。台湾外交部のスポークスウーマン、張下月さんが説明する。

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