ゴルフは大人が子供に返る遊び

執筆者:成毛眞2002年10月号

 八月末に繰り出したゴルフで九十一のスコアをマークした。我ながら快挙である。じつはスコアが百を切り始めたのは今年からで、それまでは百以上百三十以下というプレーを淡々とこなしていた。同行プレーヤーには、「特訓でもしたのか」とからかわれたが一切なにもしていない。むしろネットワーク・ゲームにはまっていたので、ゴルフはほぼ二カ月ぶりだったのだ。 だいたいゴルフの基礎とも言うべき打ちっぱなしの練習場に通ったことがない。四年ほど前に始めた遅咲きゴルファーのくせに、これまで十回も練習場には足を運んでいない。練習が嫌いなのである。そのくせ良く飛ぶドライバーが出たと聞くと買ってみたりするし、ボールも最新式を試してみたりする。プロから教わったこともなく、スウィングも安定していないはずだから、宝の持ち腐れそのものなのだ。 いまもそうだが、ゴルフというスポーツを楽しむというよりは、子供じみた友達と芝生の上を転げまわることに強い郷愁と幸せを感じている。ショット毎の一喜一憂、道具やコースにまつわるたわいもない会話が、一気に四人を数十年前の小学生時代に運んでくれる。僕にとってゴルフを楽しむ上でもっとも重要なのは同行のプレーヤー選びなのだ。

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