介護保険料の大幅引き上げは確実

執筆者:2002年10月号

施行から三年目を迎えた介護保険が早くも財政破綻の危機に瀕している。需要の拡大、甘めの認定、デフレでも引き下げられない給付額――。このままでは、さらなる保険料引き上げは避けられそうにない。 二〇〇〇年四月にスタートした介護保険。制度は確実に定着しつつあるが、その一方で介護保険財政が赤字に転落する市町村が相次いでいる。 介護保険の保険料は、三年ごとに見直すのがルール。赤字を埋めるには、来年度から保険料を大幅に引き上げなければならない。現段階の見通しでは、サービスの供給に必要な財源を確保するためには、四十歳以上の被保険者が支払う保険料を全国平均で一割程度、アップする必要がある。ただ、来春の統一地方選で改選を控えた市町村長が、介護保険料引き上げを持ち出すのは難しいのも現実。今後も高齢者人口は増え続け、サービス需要の拡大は間違いないにもかかわらず、介護保険は施行後三年目にして、早くも財政破綻の危機に見舞われている。 介護保険は、市町村単位で運営される。被保険者は、二〇〇二年度当初で六十五歳以上の高齢者が二千三百十七万人、四十―六十四歳の若年世代が四千二百五十五万人だが、サービスの主な利用者は、高齢者だ。

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