ホテル代水増し請求などの手口でつくられた裏金問題で外務省は今年三月、実際に使われた金額(約一億六千万円)に利息を加えた約二億円を職員からの寄付金で国庫へ返納した。しかし、その「余剰金」の約一億円が「何か問題が発生したときの穴埋めに」(外務省幹部)といった訳のわからない理由で再び“プール”され、返還を求める職員によるブーイングの嵐が吹き荒れている。 寄付したのは、課長補佐クラス以上など約二千二百人で、その額は計二億六千万円。野上義二前事務次官や各国大使などの五十万円を上限に、課長級が二十万―三十万円、課長補佐級が三万円を“返納”。OB二百四十五人からも三千十三万円が集まった。「家計への負担が大きい」と、渋々ながら寄付した職員も多い。 外務省は計約三億円の寄付のうち国庫返納分の約二億円を差し引いた約一億円を「余剰金」として保管することを決定。なかば強制的に寄付させられた職員の多くが「残った金の一部でも返還してほしい」と訴えているが、外務省が応じる気配はない。「余剰金もなし崩し的にどこかに消えてしまうのでは」と訝る声が噴出している。

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