中間選挙が終わり、米政局の焦点は二年後の大統領選に移るが、前回大統領選で大接戦を演じ、民主党の本命と目されてきたゴア前副大統領の候補指名は「絶望的」(民主党関係者)との観測が強まっている。 ゴア氏はこの二年間、フレッシュさを取り戻すため、大学で教鞭を執るなど極力政界から離れていたが、これが裏目に出て有力選挙スタッフは、他の民主党実力者の下に走ってしまった。中間選挙で選挙応援を控えたことも、党内で忘れられる原因となっている。民主党幹部は「ゴア氏は過去の人。出馬を断念してくれた方が助かる」と冷たい。 民主党では、ジョン・エドワーズ上院議員、ジョン・ケリー上院議員らが大統領選を狙っており、ゴア氏は候補指名レースで早くも差を付けられた形だ。イラク問題で、「攻撃は一方的な侵略」とブッシュ政権を非難したことも裏目に出た。ゲッパート前下院院内総務は大統領への権限付与決議に賛成に回り、ゴア氏の時流からはずれたリベラル色が露呈してしまった。ブッシュ陣営はゴア氏を「民主党の五、六番目の候補」とみなし、すっかり軽視しているという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。