十二月四日、東ティモールの首都ディリ市内で暴動が発生、政府関連施設、外資系ホテルなどが被害に遭い、非常事態宣言の発令が取り沙汰される事態となった。 また、マリ・アルカティリ首相宅、首相の弟で駐マレーシア大使のジャファール氏宅、駐韓国大使に内定したとされるアフマド氏の家も放火された。暴動の底流にアルカティリ政権への不満のあることが裏付けられた形だ。 同政権には、主要閣僚のスキャンダルも浮上している。主役はロジェリオ・ロバト内相で、姪をレイプし妊娠させたというもの。十一月初旬に一族内で発覚、内相は袋叩きにあって負傷し、海外で治療を受けたという。 ロバト内相は、独立運動の中核を担った東ティモール独立革命戦線初代議長でインドネシア軍との戦闘で戦死した「国民的英雄」ニコラウ・ロバト氏の弟。しかし、占領時代にアンゴラに亡命し、ダイヤモンドの密輸容疑で当局に逮捕・拘束されたという経歴の持ち主でもある。 シャナナ・グスマン大統領がロバト内相の治安維持への取り組みを批判し、解任を要求する異例の事態も起きた。アルカティリ首相は内相が海外療養中であることを理由に拒否したが、この裏にも内相の醜聞があったといわれる。

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