“ユニクロ症状”と“ダイエー症状”が同時にやってきた――。日本マクドナルド(正式社名・日本マクドナルドホールディングス)の現状を表現すれば、このようになる。 二〇〇〇年二月に始めた「平日半額バーガー」(六十五円)が大ヒットし、二〇〇〇年十二月期には単独売上高(四千三百十一億円)が過去最高を更新。同じ時期、カジュアル衣料の「ユニクロ」(社名・ファーストリテイリング)も高品質で低価格の衣料品が爆発的に売れた。両社はデフレ時代の勝ち組という評価をほしいままにした。そして、ブームが去るのもまた、ほぼ同じ時期だった。 ダイエーとの類似点とは何かといえば、同族経営の傾向が鮮明になってきたことだ。ダイエーは一九九〇年代に創業者、中内功氏が長男の潤氏を経営の中枢に据えた。その後、潤氏が主導した低価格業態「ハイパー」の極度な業績低迷がダイエーを蝕んだのは周知の事実。日本マクドナルドも創設者・藤田田氏の長男、元氏が取締役に入っている。しかも、同社と経営指導契約などを結んでいる藤田商店の社長は元氏。二男の完氏は藤田商店副社長である。 売上高が四千億円もあり、その規模からして東証一部の直接上場も十分可能だった日本マクドナルドが、中堅、中小、ベンチャー企業向けの市場であるジャスダックに上場しているのはなぜなのだろうか。「マクドナルドと藤田商店の株をともに保有する、藤田家との関係が不透明だという指摘などもあって東証への上場を断念し、上場基準の緩やかなジャスダックに鞍替えした」という観測は、金融関係者の間で話題を集めた。

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