北朝鮮は射程一千三百キロの弾道ミサイル、ノドン1号を約百基配備済みとされるが、イージス艦と海上発射の新型パトリオット、PAC3を配備することでノドンの迎撃は可能と米政府が日本側に伝えていたことがわかった。 昨年十二月に石破茂防衛庁長官が訪米した際の、米国防総省高官によるミサイル防衛の能力についての説明で明らかになった。米側は、イージス艦に搭載する「海上発射型上層システム」とPAC3を組み合わせれば、ノドンの迎撃、破壊は十分可能であり、日本は開発・配備を急ぐべきだと主張したという。ただ、長射程のテポドンの迎撃はまだ不可能とされる。 ノドンはほぼ日本全域を射程に収め、防衛庁は「標的の半径二キロ以内に着弾する可能性は五〇%。精度は低いが、大都市攻撃に威力がある」とみている。米側の情報が事実なら、北朝鮮の脅威はかなり減殺されることになる。 もっとも、日米両国のミサイル防衛共同研究は今後、開発段階に移行するかどうかの微妙な時期を迎える。「日本に開発決定を促すための情報工作ではないか」(外交筋)との見方もあり、米側の言い分を鵜呑みにもできないようだ。

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