年内の有人宇宙飛行実現を目指す中国に続けとばかりに、インドが意欲的な宇宙開発計画をぶち上げた。二〇一五年までに有人の月面探査を行なうという。 インド宇宙研究機構(ISRO)のカストリランガン長官は年明け後、バンガロールで開かれた科学者会議の席で「二〇〇五年から二〇一五年までの間に月への有人飛行を実現する」と述べた。これを受けてバジパイ首相もムンバイでの集会で「今こそ夢を実現するときだ」と檄を飛ばした。 同長官によると、インドはすでに二トンの衛星を静止軌道にのせる打ち上げ能力を有しており、これを四トンに引き上げるのが当面の目標。有人探査に先立ち、二〇〇八年までに無人宇宙船を月周回軌道に送り込む計画も検討されている。 中国は初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げを年内に予定しているとされ、インドのはるか先を走っている。インドはと言えば、空軍は昨年だけで十七回、ミグ21機の墜落事故を起こし、過去六年間では事故は百回以上に及ぶ。「月面探査より飛行機を落とさない方が先決」と揶揄する声も聞こえてくる。

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