日本政府が、北朝鮮で宮廷クーデターなどにより金正日体制が崩壊した場合を想定し、大量の難民流出に関するシミュレーションなど緊急対応策の作成に極秘裏に着手した。 複数の政府・自民党関係者によると、このオペレーションは内閣府を中心に進められているが、「極秘」扱いで情報を完全に封印しているのは「北朝鮮を無用に刺激したり、日本国内の動揺を煽ったりしないため」(政府筋)。北朝鮮から日本への流出が予想される難民の数など詳細は一切不明。船舶の不足から、海路をとる難民はそう多くないという説もある一方、「数万人規模の難民が日本海を渡って日本への上陸を目指す」(北朝鮮問題専門家)とも分析されている。 政府は今国会に、入国から原則六十日以内しか難民申請を認めなかった「六十日ルール」を改め、六カ月間に期間を拡大することを柱とした入管難民法改正案を提出。一月末には難民対策連絡調整会議を開催し、日本国籍を持たない経済難民の扱いや、「幅広い難民」の認定基準の見直しなどを協議している。“幅広い難民”とは北朝鮮難民を遠回しに表現したもので、「日本国民の不安を和らげるための用語」(自民党関係者)という。

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