ブッシュ大統領は、二〇〇四年の再選戦略の一環として財務長官以下、経済閣僚をすげ替えた。新経済チームの顔ぶれから、ブッシュ政権の次の一手を探る。[ワシントン発]開戦に備えて、ブッシュ米大統領は閣僚の首をすげ替えた――といっても、サダム・フセインとの戦争ではない。さきごろ提案した大減税案をめぐる米国議会との戦争である。株式配当課税撤廃を含む税制改革を実現し、ひいては二〇〇四年の再選に向けての布石とするため、ブッシュは経済チームを入れ替えたのだ。果たしてその思惑通りにいくかどうかは、新経済チームの手腕にかかっている。 去りゆくオニール財務長官とリンゼー大統領補佐官(経済担当)から、新チームが引き継ぐのは、減速する米経済と悪化する政治環境だ。 二〇〇三年も引き続き二・五%程度の経済成長が見込まれているものの、一方でふたたび不況に転ずることへの人々の不安は増大しつつある。民間調査機関ピュー・リサーチ・センターの最近の世論調査によれば、ブッシュの経済政策を支持するのは四七%で、不支持が四五%。一年前は、六割の支持に対して不支持は二八%だった。大統領の経済政策に対する国民の支持を勝ち取ることも、新経済チームの重要な任務となる。

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