北朝鮮が米国のイラク攻撃に合わせて、米本土まで届く「テポドン2」の試射実験を行なう可能性があることを複数の軍事筋が明らかにした。米国はすでにその兆候をつかみ、今年二月から弾道ミサイル観測機のRC135Wなどを沖縄の嘉手納基地に増派し、北朝鮮の動向を探っている。 北朝鮮は一九九八年に日本列島を飛び越えた「テポドン1」を試射したあと、毎年、燃料噴射の実験を繰り返している。アラスカや米本土まで届く射程三千五百キロから六千キロの「テポドン2」の開発が目的とみられている。 米国は偵察衛星KH11をフル稼働させ、弾道ミサイル基地のある舞水端里を一日二回以上、観測している。さらに在韓米軍の持つスパイ偵察機U2を飛行させているほか、嘉手納に派遣したRC135Wも繰り出し、兆候の探知に懸命だ。 これに対し、北朝鮮側は三月二日、北朝鮮沖約二百四十キロの公海上を飛行中のRC135Sにミグ29とミグ23合計四機を接近させ、一時、攻撃可能な態勢を取るなど挑発行動をとっている。 在日軍事筋によると、「テポドン発射の前には飛んでいく弾道ミサイルのデータを収集するテレメーターという観測機材が基地内に設置される。大型レーダーのような形状なので偵察衛星やU2偵察機でみれば、すぐわかる」という。

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