共産党が今夏、志位和夫委員長を団長とする米国訪問団を派遣する方向で本格検討に入った。実現すれば同党の訪米団は初めて。次期衆院選を前にワシントンに公式の訪問団を送り込むことで「従来の『反米』一辺倒のイメージを和らげ、ソフト・現実路線をアピールし無党派層を取り込む戦略」(共産党幹部)という。 共産党の訪米団派遣は数年前から案として浮上していたが、今年十一月に予定されている三年に一度の党大会および次期衆院選の前が絶好のタイミングとみて、実現に向けて米側との水面下の折衝が加速。米議会側も「日本の極端な反米勢力の懐柔につながる日本共産党との対話に、対日戦略上の大きな意義を見出している」(日米外交筋)と前向きに受け入れの準備を進めているとされる。 ただ、仮に米軍のイラクへの軍事行動が長期化した場合、「反戦」を声高に訴えている共産党としては、米側との「親善・交流」を目的にした議員団をワシントンに送り込むわけにはいかない。「米国に対イラク攻撃にさっさと決着をつけてもらって、早くほとぼりを冷ます必要がある」(共産党幹部)とイラク情勢次第の側面も強い。

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