UFJ銀行などから金融支援を受けるミサワホームは、東京・中央区勝どきの巨大マンションプロジェクトを打ち出している。約三万平方メートルの敷地に六十階建ての高層マンションを二棟建設。ホテルや病院、商業施設も併設、当初は二〇〇五年春に完成予定だった。民間事業としては国内最大級のプロジェクトとなる。 しかし、勝どき再開発は、外資系機関投資家などとの間で成約目前に破談したという因縁のある案件。マンションの過剰供給や景気低迷で商業施設の誘致が難航し、さらに「一千億円は必要とされる建設費用の調達がままならない」(大手ゼネコン幹部)という。 土地を証券化して機関投資家などに販売する方法は「採算性の問題から投資家に販売できるか懸念がある」(外資系証券アナリスト)。二棟のうち一棟を都市基盤整備公団に売却する案には、国土交通省が「過剰債務企業の救済として国が非難されかねない」(国土交通省幹部)とつれない態度。 UFJはこのプロジェクトについて「三澤(千代治・ミサワホーム)社長の首を担保に取っている」(大手都銀幹部)とされる。起死回生策の行方やいかに。

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