ソニーはアメリカ本社をこの夏にも、同社にとって歴史的にも重要なニューヨークエリアから、西海岸に移転することになった。移転先はシリコンバレーのサンノゼ市。「ソニーの戦略に大きな変化が生じた」と波紋が広がっている。 現在の拠点は事実上のニューヨーク本社といわれてきた隣接のニュージャージー州にある。ニューヨーク地区は、ソニーが米国進出を果たし世界企業に発展する端緒となった地だ。出井伸之会長は日本と米国の二大本社制をとり、ニュージャージーにも日本人駐在員を含めて千人規模の従業員を擁している。 歴史的にも重要な拠点を西海岸に移転させる最大の理由はずばり、ソフト重視の戦略だ。「プレイステーション2やバイオをさらに進化させるソフト開発の人材を結集する」(ソニー関係者)といわれている。シリコンバレーはITバブル崩壊後も、インドや中国の優秀な研究者が豊富で、ここでキーになる人材を本格的に採用する方針だという。 アメリカ本社は映画や音楽部門も包括しており、移転によりハリウッドへのさらなる接近も同時に視野に入れているという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。