二月にパチスロ・パチンコ大手サミーとの合併が電撃的に発表されてから三カ月間、ゲーム大手セガは揺れに揺れた。四月十七日には、サミーに続いてライバルのナムコがセガに合併を提案したほか、米マイクロソフトやゲームソフト世界最大手の米エレクトロニック・アーツとの提携も取り沙汰された。ところが五月八日、サミーとの交渉破談を発表すると、ナムコも同日に合併提案を撤回。これには「セガ・サミー合併で最大手のライバルが生まれるのを妨害する擬装だったのでは」(ゲームソフト大手幹部)との見方もある。いずれにしても、セガは自主再建の道を歩むことになった。 セガをめぐるこの騒動、傍目には再建を図るセガを各社が奪い合ったようにみえる。だが、内実は「セガ・サミー」実現を目指したセガの筆頭株主CSKと、パチスロ会社との統合をよしとしない反対派の“九十日戦争”だった。「サミーと合併することは発表当日まで知らされていなかった」 セガの佐藤秀樹社長とサミーの里見治社長が都内で合併会見を開いた二月十三日夜、セガのある幹部はこう憤った。両社は事業統合委員会を設立し、六月の株主総会で承認を得て十月に事業統合すると発表。新会社社長には里見サミー社長の就任も決まっていた。

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