民主党の菅直人代表と自由党の小沢一郎党首は五月下旬の会談で、両党の「合流」構想を白紙に戻すことで合意した。 だが、これが政権奪取に向けた両氏の周到な「死んだふり」の演技で、秋にも予想される衆院解散・総選挙の直前に合流するとの密約が両党首の間で交わされているのではないかという観測が出ている。 合流推進派の民主党幹部からして「選挙で有権者にインパクトを与えるためにもサプライズが必要だ」と解説、合流構想が水面下で着々と進んでいることを示唆している。民主党内には旧社会党系を中心に合流に反発している議員も少なくないが、「合流がいやなら党から出て行け、といわれれば彼らには行き先があるわけではなく、渋々ながらでもトップの決断をのむしか道は残らない」(民主党幹部)というわけだ。 こうした民主、自由両党の密約説については自民党幹部も「選挙のことを考えたら、小沢と菅は絶対に合流で手を握っているとしか考えられない。ぎくしゃくした関係を演出して与党をだまし討ちする戦略だ」と警戒を強めている。

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