僕は狩猟系

執筆者:成毛眞2003年7月号

 すこし前、ある男性雑誌から万年筆についての取材を受けた。デジタル一辺倒のビジネスマンがどんな万年筆を使っているか覗きみるという趣向だ。取材に応じて持っている万年筆を並べてみて驚いた。全てもらい物だったのだ。IBMから講演料代わりにいただいた太くて黒いモンブラン、出版社から印税代わりにもらった書き味抜群金ペン堂のシェーファーなど、ご祝儀としていただいたものが多い。 ビル・ゲイツからもらった純プラチナ製モンブランは退職金の割増しだったのだろうか。あらためて価格を調べてみたら、なんと一万五千ドルもする代物だった。箱を捨ててしまったことが悔やまれる。家宝としてさっそく金庫に入れたことはいうまでもない。 ところで、かばんはコールマンのショルダーバッグを愛用している。コールマンといえばキャンプ用品で有名なメーカーでビジネスとはあまり縁がない。アウトドア用の布製なので軽くて強い。偉い人と会うとき以外の服装は全てGAPのコットンパンツにボタンダウンシャツだけである。GAPやユニクロはズボンの裾丈にもサイズがあるので、その場で買って帰ることができるから便利だ。 六月にはいるとジャケットすら持たないで家を出る。どうせ羽織りもしないので、荷物は少ない方がいい。靴はクラークスのデザートブーツかコールハーンのスリップオンであることが多い。両方ともバックスキンなので、靴磨きとは無縁なのだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。