インターネットで行政手続きができるようになる「電子政府構築計画」がNTTデータに衝撃を与えている。メーンフレーム(大型汎用コンピューター)を核とした旧式の情報システムの見直しが同計画に明記されたことで、NTTデータの売上の四割以上を占める官公庁向け取引が揺らぐのは間違いないからだ。 NTTデータの官公庁向け取引の多くは、ソフトウェアから保守設備までをNTTデータの所有とし、使用料金を複数年にわたって受け取る「随意契約」。低価格で入札しても最後は帳尻が合う旨味がある。また契約後は設備の追加や仕様変更などを一元管理でき、利益を独占する「日本ならではのおいしい商売」(外資系情報メーカー)でもあった。 だが、ある自民党幹部は「政府の調達担当者の知識不足に付け入り軽自動車ですむところにロールスロイスを買わせている」と鼻息も荒い。官公庁向け取引に競争原理が導入されれば「外資系の参入も進む」(国内大手ITメーカー幹部)。NTTグループの中で比較的業績が安定していたNTTデータも、政府のIT調達の正常化で大きな環境の変化にさらされる。

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