不動産で世界最大手の米シービー・リチャード・エリスが、経営不振に悩むミサワホームに関心を示しているという。エリスは先に特別清算を申請した日本新都市開発のマンション事業地や分譲管理子会社を買収するなど、日本でのビジネスを活発化させている。 ミサワは東京・中央区勝どきに高層マンションの建設を予定しているが、折からの信用不安で建設業者の選定が進んでいない。土地代と建設費で計千六百億円に上る資金が調達できないのだ。都市基盤整備公団がマンションの住戸部分を一部買い取る計画が浮上しているものの、「それでミサワの信用力が増すとは思えない」(業界関係者)。だが、強力な資金力を持つエリスが噛めば、勝どき開発は一気に進む可能性がある。 さらにエリスはミサワの経営権支配も狙っているという。メーンバンクのUFJ銀行は「業績が上向く兆しが見えないミサワには嫌気がさしており、三沢千代治社長の首に鈴を付けたいとボヤいている」(大手銀行関係者)。ミサワを事業存続会社と債務継承会社に分割し、エリスが前者を買収するとのシナリオが、業界関係者の間で囁かれている。

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