「燃料タンクを、空っぽにすればいいのですよ」――北京の消息筋によると、中国は二月に続き、七月末にも再び対北朝鮮パイプラインを閉鎖したという。北朝鮮軍を兵糧攻めにし、動けなくすることを念頭に置き始めたというのだ。 一方、中朝国境空域における中国空軍のスクランブル回数が激増している。中国空軍は七月頃、以前は無視していた遠方の米軍機にも出動するようスクランブル発進規定を調整した。米軍の偵察機が朝鮮空域に飛来するたびに北朝鮮空軍機は発進、米軍機に対して中国軍機もスクランブルするから、北朝鮮空軍は米・中の二方面にスクランブルをかけねばならない。結果的に北朝鮮軍の燃料備蓄は急速に減少する、というわけだ。 同じ七月頃、中国政府は九月九日の北朝鮮建国記念日の祝賀活動向け物資の搬送を禁止した。お菓子や日常衣類など一般幹部、国民向け物資を北はほとんど中国から調達していた。国境を接する吉林省政府の担当部門幹部は、こんな指示は初めてだという。 他方、七月に訪朝した戴秉国外務次官はディーゼル油一万トンの無償供与を手土産にしていた。中国ならではの微妙な「アメと鞭」が続いている。

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