パキスタンがイスラム原理主義勢力タリバンを密かに支援しているのではないかとの疑念の声は以前から出ていたが、米中央情報局(CIA)は最近、その「決定的な証拠」をつかんだようだ。 ワシントンの消息筋によると、CIAは八月下旬、パキスタン南西部のクエッタにあるイスラム教の宗教学校マドラサにアフガニスタンから逃げてきたタリバン幹部数人がかくまわれているとの現地工作員の情報に基づき調査、データを分析したところ、これら幹部に間違いないことが確認された。 このマドラサは宗教政党のジャミアト・ウレマ・イスラムが運営しており、かつてタリバンの指導者が多数出た学校である上、同党がパキスタン軍人の手厚い保護下に置かれていることもわかったという。 さらにCIAは「米国にはアル・カエダの残党を差し出し、タリバンは宿敵インドとの戦いに利用すべきだ」などとするパキスタン陸軍の内部文書コピーも入手したといわれる。同消息筋は「決定的証拠」がこうした一連の情報を意味すると指摘する一方、米政府がパキスタンへの制裁を行なうかどうかは高度な政治判断次第と述べている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。