パレスチナ自治政府のアラファト議長の健康状態をめぐって「胃癌」説や「心臓発作」説などさまざまな情報が流れているが、実は同議長が抑鬱症状に悩まされているとの見方が浮上してきた。 これは、最近アラファト議長を診察したエジプト人医師がエジプトの情報機関に出した秘密報告書の中で明らかにしているもので、同医師は議長がさまざまな病気を抱えているのは事実だとしながらも、最大の問題は抑鬱症状に悩まされ、情緒不安定な状態になっていることだと報告している。 同医師は十月初め、アラファト議長がインフルエンザを患った際、急遽呼ばれ診察したといわれる。報告書によれば、同議長は抑鬱症状が深刻なため、猜疑心が強くなっていて、食事に毒が盛り込まれていると騒ぐこともあり、ヨルダン人の毒物専門家を側に置いている。 また、同議長は長年リボルバー銃を携行してきたものの、弾は入れていなかったが、現在は実弾を入れ、いつでも発射できるようにしている。さらに自分の執務室にはボディーガードにさえ武器を持ったままでは入室を許さないなど、極端に神経質になっているという。

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