日本共産党の志位和夫委員長ら指導部が、側近の汚職疑惑などで窮地に立つ韓国の盧武鉉大統領をことのほか気にかけている。 同党は、金大中前政権時代から韓国に代表団の受け入れや機関紙「しんぶん赤旗」のソウル支局開設など交流を求めてきたが、実現していない。ところが、盧大統領が六月に来日した際、志位氏に「私が日本共産党を受け入れる初の韓国大統領になる」と伝えたことから、共産党側は「代表団の年内訪韓が現実味を帯びてきた」(幹部)と期待をふくらませている。「『Xデー』に備えてハングルを学び始めた党本部職員も多い」(同党関係者)という。 しかし、韓国政局の混迷に加え、韓国内では「日本共産党は北朝鮮の朝鮮労働党とつながっている」との誤解から「反共世論」も高まってきた。 同党指導部は「嵐が静まるのをじっと待つしかない」と肩を落とすが、日韓外交筋は「そもそも盧大統領は、世論の反発を招いた日本共産党の受け入れ発言を軽率だったと反省している。共産党は結局、大統領の『外交辞令』に踊らされただけということになるだろう」と指摘する。

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