中国経済の牽引役として、台湾系や欧米系企業の存在感が増している。中国の商務省が発表している輸出企業のランキングでは、昨年、台湾の鴻海精密工業の広東省子会社・鴻富錦精密工業深センが輸出額四十三億八千七百万ドルで一位となった。鴻海は金型技術に秀でる電子部品メーカーだ。中国でもデルやソニー、ノキア向けに、相手先のブランドで、パソコンやゲーム機、携帯電話機などを製造している。世界各メーカーからの受注獲得によって子会社の鴻富錦は輸出額が倍増し、一昨年にトップだった衣料製品などを輸出する中国企業の東方国際集団を抜き去った。 二位はモトローラ中国電子で二十七億七千五百万ドル、東方国際は三位に後退し、二十三億九百万ドルだった。上位二十位以内には台湾企業が四社も名を連ね、モトローラ、デル、ノキア、IBMなど他の外資系メーカーの中国工場も五社を数える。 一方、中国企業の上位は中国化工進出口総公司、中国煤炭工業進出口集団、中国糧油食品進出口集団など石油・石炭関連か食品、繊維のような軽工業が多い。日本で名前のよく知られている家電メーカーの四川長虹電器は三十三位で七億四千二百万ドル、海爾(ハイアール)集団は六十六位の四億二千万ドルにとどまっている。輸出額の伸びも前出の台湾系・鴻富錦が前年比で二十四億ドルも伸ばしているのに対し、東方国際、中国化工進出口総公司ともそれぞれ一億七千万ドルずつしか伸びていない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。