テロの襲撃対象が米軍をはじめとする軍隊から文民など「ソフトターゲット」に広がってきたイラク。陸上自衛隊を取材する報道陣の安全確保が国内マスコミ各社の間で大問題になってきた。 陸上自衛隊が派遣される南部のサマワは制服組による専門調査団の報告書によれば、「夜でも歩けるほど安全」。だが、ビン・ラディンらしき人物が米国に協力している日本など六カ国に対するテロ攻撃を宣言。日本大使館員ら三人が殺害される事件も起きた。「自衛隊の派遣が地域に危険を呼び込む可能性は否定できない」(防衛庁幹部)。 その自衛隊は、自爆テロの車両が見通せる砂漠の真ん中に宿営地を造り、周囲に溝を掘り、さらに城壁のように高く土盛りして要塞化する。が、弱いところを突くのが戦いの鉄則。そこでターゲットとして浮上するのが、無防備なマスコミだ。 サマワには日本の民宿程度のホテルが二軒しかなく、ほとんどのマスコミは民家を借り上げざるを得ないという。ホテルの方が狙われやすいという指摘もある一方、民家でも、原稿などを衛星通信で送るためのアンテナを目印に襲われる可能性が否定できない。

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