シリアはこのほど、イランや中国の支援を得て、スカッド・ミサイル約千基の地下貯蔵・発射施設の建設を完了した模様だ。同ミサイルは千ポンドの高性能爆薬とクラスター爆弾型弾頭を搭載し、イスラエルの核兵器施設や飛行場を標的にしているといわれる。 だが、イスラエルのシャロン政権がシリアの同ミサイル施設完成を機にアサド政権打倒を目指し、行動を起こす可能性が出てきたとの見方がある。イスラエルは十月初め、ダマスカス近郊のパレスチナ訓練キャンプを爆撃、三十年ぶりのシリア領攻撃を行なうなど示威行為を強化している。 中東軍事筋は「イスラエルはシリアを挑発し、出方を探った」と指摘するとともに「シリアのミサイル施設の完成は自国への重大脅威とみなし、この際、アサド政権を転覆させる方針に傾きつつあるようだ」と語っている。 エルサレムの消息筋によると、ブッシュ米大統領がアサド政権によるテロリスト支援を理由に、シャロン政権に対しシリア攻撃の承認を与えたとの未確認情報も流れており、イスラエルによる軍事攻撃説が現実味を帯びてきた。

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