ロシアのプーチン政権が、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に不快感を示して見せる一方で、NATO相手の武器販売に本腰を入れている。 その目玉となっているのが、ロシア製の軍用ヘリコプターだ。十二月初めにブリュッセルで行なわれたロシアとNATOの国防相会議で、プーチン大統領の右腕であるイワノフ国防相が、Mi24、Mi26、Mi8MTVといった機種を、NATO仕様に改造して加盟各国に売り込む方向でNATOとの基本合意を取り付けた。 米国をはじめNATOの各国部隊は、アル・カエダの残党が山岳地帯を拠点に活動するアフガニスタンで、ヘリが地上から発射される携帯型対空ミサイルの脅威にさらされていることに頭を痛めている。 ロシアのヘリは、灼熱の厳しい気候条件の下での耐久性や、機動性で高い評価を受けている。特に、Mi8MTVは、気流が不安定な山岳地帯での活動性に優れ、ヘリとしては高高度である六キロの上空を飛行、ゲリラの携帯型地対空ミサイルの餌食になりにくい。 プーチン政権は、アフガニスタン派兵に極めて慎重な姿勢を維持する一方、金儲けの機会は見逃さないしたたかさをみせている。

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