二〇〇四年四月五日のインドネシア総選挙に、メガワティ大統領の妹二人が党首を務める二党が参加する。いずれも「反メガワティ」を掲げていることから、三姉妹による選挙戦が繰り広げられることになった。 独立の父、故スカルノ大統領の長女メガワティ大統領は第一党の闘争民主党党首として次回選挙でも第一党の座を守り、七月の大統領選で再選されることを目指している。これを阻止しようと、二女ラフマワティ氏が先駆者党、三女スクマワティ氏がマルハエン主義国民党を率いて闘いを挑む形だ。どちらも「メガワティ大統領は父スカルノの政治理念を正しく継承していない。真に国民の側に立った政治が今求められている」と、政権交代を訴えている。 実質的に両党の政治的影響力は微小で、特にラフマワティ氏は政治手腕も人気もなく、単に「人気者の姉への嫉妬」が動機とされる。だが、スクマワティ氏はスハルト元政権を打倒する民主化運動では姉メガワティ大統領を支援し、ソロの王族との結婚歴や前衛芸術家としての人気もある。総選挙番外編として三姉妹の熱い闘いが注目されることは確実だ。

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