朝鮮半島の軍事情勢に詳しい消息筋は、北朝鮮が去る九月九日の建国五十五周年に新型の弾道ミサイルを初公開する準備をしていたものの、直前になって中止したことを明らかにした。 それによると、米国などは数年前から北朝鮮が旧ソ連製の潜水艦発射型ミサイル「SSN6」を地上発射型に改良した新型ミサイルを開発していることをキャッチしていたが、今回このミサイルが平壌近くに運ばれたため、建国記念日の軍事パレードで公開されるのではと監視を強めたという。 結局、ミサイルを披露するパレードは行なわれなかった。消息筋は「軍部にとってパレードは晴れ舞台。公開に向け準備していたものを直前になって止めさせることは軍に対する掌握力がないとできない。止めたとすれば金正日国防委員長レベルではないか」と指摘する。 また、核問題を話し合った八月下旬の六カ国協議の議長総括で、「平和的解決のプロセスのなかで、状況をエスカレートさせる言動はとらない」との文言が盛り込まれたこともあり、議長役の中国から北朝鮮に何らかのプレッシャーがかけられた可能性もある。

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