アル・カエダ指導者のオサマ・ビン・ラディンとナンバー2とされるアイマン・ザワヒリの間に亀裂が生じた可能性があるとの説が流れている。 トルコ情報当局筋が明らかにしたもので、昨年十一月にイスタンブールで英総領事館などの爆破テロ事件を起こした一味として逮捕された男の供述から、ビン・ラディンが傘下の組織を通じて命令を出す一方、実行犯グループにはザワヒリからも指示が届いていたことがわかった。 しかも、ビン・ラディンの命令は米軍が使用するトルコ空軍基地を標的とすべしとの内容だったが、その後ザワヒリは英総領事館や英系銀行を狙うよう命じたという。空軍基地の警備が厳重なため、実行犯グループが標的を変更する旨アル・カエダ指導部に伝えたところ、ビン・ラディンは強硬に反対したともいわれる。 同当局筋は「ビン・ラディンとザワヒリの間で意見対立が起きたか、あるいは両者の連絡がきわめて劣悪な状態にあるかのどちらかだろう」と推測している。この事件では多数のイスラム教徒も犠牲になったため、ザワヒリが指導部内で厳しい批判を浴びたとの情報もある。 イスタンブールのテロでは、アル・カエダのスポークスマンが、関与を認めるコメントと否定するコメントを別々に出している。このことからも、内部で混乱が生じていることは間違いなさそうだ。

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