米英主導のイラク戦争に反対していた中国が、実はフセイン政権との間で軍事協力の密約を交わしていたとの有力情報がある。 ロンドンの軍事筋によると、フセイン政権の大量破壊兵器開発計画の詳細を英当局に暴露した旧イラク軍の中佐がこのほど、中国人民解放軍の軍事顧問団が旧イラク軍の対空防衛システムづくりに協力していたことを明らかにした。 この中佐によれば、この軍事顧問団は二〇〇一年末に中国がフセイン政権と結んだ密約の下、二〇〇二年春からイラク入り。同国西部の砂漠地帯に設けられた対空防衛施設の強化や防空部隊の訓練を支援した。 フセイン元大統領は当初、セルビア人の軍事顧問を雇い、対空防衛システムの強化を計画したが、これは失敗。その代わりに中国側と秘密裏に接触し、防空専門の顧問団派遣の密約を取り交わしたという。 元大統領は中国軍事顧問団の協力によって対空防衛力が強化されたと高く評価、これら顧問たちを大統領宮殿に招き、自ら労をねぎらったこともあったと同中佐は語っている。中国側の協力は米英軍のイラク進攻直前の昨年二月まで続いたともいわれる。

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