自衛隊のイラク派遣で一月下旬に飛ぶ航空自衛隊のC130輸送機の安全性が、派遣直前になって改めて取り沙汰されている。米軍機のようにミサイルの被弾を避ける装置をつけてはいるが、「思わぬ落とし穴が待ち受けている」(在京の軍事専門家)という。 派遣される三機には被弾を回避するため、機体からダミーの熱源を出す「フレア」と、レーダー妨害用の細かい金属片を放出する「チャフ」という防御装置がつけられたが、フレアの方に問題が残ることがわかったのだ。「最も熱いエンジンに熱源追尾型ミサイルが直撃すれば当然被害は甚大になるが、エンジンは四基あり、一つに命中してもなんとか操縦継続は可能。むしろ、フレアでミサイルがそらされて、胴体などに直撃すれば、かえって墜落する確率が増す」(同専門家)というジレンマだ。 空自は二月からクウェート―イラク間の物資輸送業務にC130を使用する計画。イラクで国際宅配会社の貨物機などがミサイル攻撃に遭っていることを踏まえ、ミサイルの射程圏内を避けるために「難度は伴うが、高い高度から螺旋状に降下する着陸方法を取らざるを得ない」(空幕幹部)という。

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