小泉純一郎首相が新春恒例の外遊を中止したきっかけは、堀内光雄自民党総務会長の一言だった。 昨年十一月二十日夜、首相は堀内氏と二人だけで会食した。その席で、堀内氏は新年の首相外遊について「インドとパキスタンに行くのか」と質問、“サプライズ”を狙うため事前の情報漏洩を嫌がる首相は「考えていない」と答えた。「二人の間の話なら実現の可能性はまだあった」(首相周辺)が、堀内氏が会話を記者団に暴露。日本・パキスタン議連会長としてこのニュースを披露したかったようだが、これで首相がヘソを曲げ、印パ訪問をとりやめたという。 首相サイドはその後、ブッシュ米大統領にならってイラク訪問を検討するが、神崎武法公明党代表に先を越されて断念。昨年までの靖国神社参拝で実現していなかった中国公式訪問も日帰り日程で検討したものの、中国側との調整がつかず、外遊自体を見送らざるを得ない状況になってしまった。 ちなみに、元日に首相が靖国神社を参拝したのは、「訪問が実現できなかった中国へのあてつけではないか」(自民党ベテラン議員)との見方も出ている。

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