米軍はこの春、オサマ・ビン・ラディン捕獲を目指して、かつてない規模の軍事作戦を展開する模様だ。 ワシントンの消息筋によると、米軍当局はビン・ラディンがパキスタンとアフガニスタン国境にまたがる山岳地帯で地方部族指導者の支援や保護を受けて潜伏していることは間違いないとみている。そのため、二〇〇一年十月のアフガン侵攻以来もっとも大規模な攻撃をこの三月にも同国境付近で開始する準備に入った。 二月に米軍首脳の一人がブッシュ大統領の密使としてイスラマバード入りし、パキスタン側と会談。米軍当局は新たな大作戦にはパキスタン国内からアル・カエダに攻撃を加えることが不可欠と判断し、ムシャラフ大統領に協力を求めたとみられる。 同大統領は、アル・カエダに同情的なパキスタン軍内の一部強硬派に配慮してのことか、「自国内での外国部隊の活動には難色を示した」(イスラマバードの外交筋)といわれる。だが、その後ブッシュ大統領がムシャラフ大統領に直接電話をかけて説得したとの情報もあり、米軍によるビン・ラディン捜索作戦が始まる可能性は強まっている。

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