デジタル家電分野でマイクロソフトが攻勢に出ている。ソニーをはじめ迎え撃つ日本勢に勝機はあるか。 米マイクロソフトが圧倒的な技術開発力と豊富な資金力にモノをいわせてデジタル家電分野で攻勢をかけ始めた。パソコンは欧米で市場の飽和がささやかれるが、薄型液晶テレビやDVD(デジタル多用途ディスク)レコーダー、デジタルカメラに象徴されるデジタル家電は世界的に売れ行きが好調で、ハイテク業界の新たな成長のリード役になるとの期待もある。「リビングルームの主役」の座を巡り、ソニーなど日本の大手家電、AV機器メーカーとの主導権争いが熱を帯びてきた。「我々は、仕事で使う機器(パソコン)と家庭で使う機器(デジタル家電)との間で情報がシームレスにやり取りできるコンピューター技術を提供していく」 一月上旬、米ネバダ州ラスベガス。国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」の開幕に先立つ基調講演で、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は新しい技術コンセプト「シームレス・コンピューティング」を自信満々の表情で語った。その主旨を簡単に言うと、パソコン用OS「ウィンドウズ」をデジタル家電や携帯電話、ゲーム機、自動車など様々な機器でも使えるようにし、パソコンと各機器との間で継ぎ目なくスムーズに情報をやり取りすることを目指すということになる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。