北朝鮮の核問題をめぐる六者協議が、七者協議になる可能性がある。中国の外交筋によると、一月末に訪仏した胡錦濤総書記と会談したシラク大統領は「EU(欧州連合)は朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)理事会の一員として、引き続き(問題解決に)貢献する用意がある」と表明、胡総書記は「状況を見極めながら、ぜひ最大限の努力を払いたい」と応じたという。 EUは昨年八月の第一回協議に参加希望を表明していた。ただ、当時は米国と仏独の対立が深刻だったうえ、中国も協議の先行きに自信をもてず、「これ以上当事者が増えると調整に手間取る」とする米国を覆せなかった。だが、中国は今年前半中に三回目を開くお膳立てをするなど実績を積み、「一定の対米提案力を勝ち得た」と自負している。EU参加には韓国が積極支持を表明済みで、北朝鮮も反対する可能性は少ない。「ロシアを引き込んで米国包囲網を築けば可能性はある」と同筋はいう。 重要なのは、胡総書記の「状況を見極めながら」が何を指すか。シラク大統領は会談後、台湾の住民投票への反対とEUの対中武器禁輸措置解除を働きかけることを明言した。取引が成立したのだ。

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