国際テロ組織アル・カエダが二〇〇一年九月十一日の対米同時多発テロ事件の“海洋版”を引き起こす準備を進めているとの見方がある。 これは、海上から地上建造物への攻撃や航行中の艦艇や商船の爆破を大規模かつ同時に企てる計画とみられ、複数の米情報機関筋によれば、先に捕らえられたアル・カエダの“海上作戦部長”アブド・アルラヒム・アルナシリの供述からこうした計画が明らかになったとされている。 この供述から、アル・カエダがミニ潜水艦を含め十五―三十隻の船舶を保有、いずれもテロ実行用の奇襲艇として使用する可能性があることもわかったという。 米情報機関筋は「最も懸念されるのは、アル・カエダがこれらの船舶に化学・生物兵器や『汚い爆弾』を搭載して、陸上の目標に攻撃を仕掛けることだ」と指摘。それ以外にも、たとえばスキューバダイバーによる自爆テロといった新たな手口もありうると警告している。 米政府は近く、世界のトップ四十の港湾都市や国際船舶が航行する主要海峡、運河での警備を一段と強化するよう各国に要請する意向といわれる。

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