ソフィテル、ノボテル、イビス――。海外を旅行したことのある人ならどこかで聞いたことがあるだろうこれらのホテルは、フランスのホテル業界最大手のアコー(Accor)グループが展開するホテルチェーン。エコノミーホテルから高級タイプまで計九つの業態で約四千軒ものホテルを、世界九十カ国を網羅するように配置。年商は六十八億ユーロを誇る。この欧州最大手の巨大ホテル業の目が今、アジア市場に向かっている。 アコーは三井不動産と提携し、今秋十月メドで中・高級ホテル「メルキュール」の日本二号店の開業を発表。銀座のオフィスビルを全面的に改装し、シックな欧州風のホテルを作る計画だ。 二〇〇〇年に東京・上野公園近くに高級ホテル「ソフィテル」で初めて日本に進出して以来、すでに国内には、「ソフィテル」以外にビジネスの「ノボテル」など四業態で計七軒を展開している。 今回の銀座進出で狙うのは、日本での市場拡大と広告効果。ブランド力がトップクラスの銀座ならビジネス客からレジャー客まで狙え、イメージ戦略にも有効に働く。しかも一等地への参入で国内で知名度を高めれば、海外旅行する日本人客の外国でのチェーン利用にもつながるとの計算だ。

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