うまい汁狂騒社会2

執筆者:2004年6月号

 前々号の「うまい汁狂騒社会」にはかなりの反響があった。「一冊の本にしてほしい」という手紙まできた。還暦に至るまで世の中の裏側ばかり見つめてきた蠅子には、世間にこんなに怒っている人がいるということが大いなる驚きであった。「福田康夫官房長官辞任」騒ぎにかこつけ、蠅子も柳の下のドジョウという“うまい汁”を狙うことにする。“偉い人々”のうまい汁騒ぎはとどまるところを知らない。政治家の国民年金未納・未加入問題で大騒ぎである。麻生太郎総務大臣、中川昭一経済産業大臣、石破茂防衛庁長官が厚生年金から国民年金へ移行する際に支払っていなかったことが判明して、なんとか一矢報いたいと考えていた民主党菅直人代表は、三閣僚を「未納三兄弟」と命名し、自民党を責め立てた。 その菅氏も、また前の代表の鳩山由紀夫氏、羽田孜元首相らも未納だったことが判明。一方閣僚の未納者も増え、福田官房長官、谷垣禎一財務大臣、竹中平蔵経済財政・金融担当大臣らが苦虫をかみつぶした顔で記者会見した。ここが攻めどきとこれをテーマに年金法案を廃案に追い込み、七月の参院選で自民党を追い込みたいともくろんでいた民主党は、けじめのつけ方でも与党に出し抜かれた。

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