乗員七十人全員が死亡した中国海軍の潜水艦事故は、新型シュノーケル(吸排気管)を導入試験する際に発生したことを中国軍事筋が明かした。 海軍北方艦隊所属のディーゼルエンジン推進型潜水艦、明級「361」(艦名=遠征61号)は昨年四月十六日頃、黄海上で事故を起した。新型シュノーケルは昨年初めにロシアから供与されたばかりだったという。 台湾作戦を睨む中国海軍は、ロシアの新鋭艦導入を急いでいるが、契約分を含めても十二隻しかない。一九五九年に就役した旧ソ連のロメオ級を大幅改造し、中国では七四年に就役した明級など、西側では退役するような旧式艦も使わざるをえないのだ。 同筋によると、事故の情報を漏洩したとして北方艦隊通常潜水艦支隊(師団級)の副参謀が逮捕された。党中央軍事委は当初、事故を公表しない手はずだったが、一週間後にはネットに情報が流れて乗員家族らの問い合わせが殺到したため、正式発表せざるをえなくなった。副参謀が夫人に漏らし、夫人が勤務先で語り、夫人の勤務先のパソコンから一挙にネットに伝播したことを艦隊保衛部が突き止めたという。

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