IATA 国際航空運送協会

執筆者:石山新平2004年7月号

航空自由化時代、IATAは「過去の遺物」となるのだろうか。足並みの乱れるカルテルの現実―― 国際連合の専門機関や国際赤十字など、多くの国際機関が集まるスイスのジュネーブ。その西のはずれにあるジュネーブ空港ほど、世界の主要航空会社のトップたちが頻繁に利用する空港はないかもしれない。この空港の一角には、IATA(国際航空運送協会)のエグゼクティブ・オフィスがあるからだ。 IATAは世界百三十カ国以上の二百七十を超す航空会社が加盟する業界団体。その運営の最高意思決定機関として設けられている理事会(ボード・オブ・ガバナーズ)には世界の主要航空会社のトップ三十一人が顔をそろえる。本部自体はカナダのモントリオールに置かれているものの、最高経営責任者(CEO)の肩書を持つ事務局トップのジョバニ・ビジニャーニ氏らはここにいることが多く、理事を務める航空会社トップもしばしばジュネーブに顔をそろえる。 一九四五年四月に発足し六十周年を迎えるIATAは、いま、その存在意義を問い直されている。もともと世界各国の航空会社のネットワークを共同利用できるようにするために設けられた組織で、利用客がいくつもの航空会社を乗り継いで世界中のどこへでも行くことを可能にした。一度に買ったチケットで複数の航空会社を乗り継いだり、正規料金さえ払っていれば、乗り遅れた場合に他社の同一ルートに振り替えたりすることも可能なのは、このIATAを舞台にしたメンバー航空会社同士の合意のうえに成り立っているシステムだ。

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