サウジアラビアと同国の東岸沖合いのバーレーンを結ぶ橋に対する、イスラム過激派の爆破攻撃が懸念されている。 全長二十五キロのこの大橋はビジネスに不可欠な大動脈。かつて両国間の移動には煩雑な搭乗手続きが必要な航空機を利用するしかなかったが、現在は通関事務所で簡単な入国手続きをするだけで、サウジ東部の石油都市アルホバールとバーレーンの首都マナマを自動車で三十分で行き来できるようになっている。イスラムの休日を控えた木曜の夜には、飲酒に寛容なバーレーンを訪れるサウジ人たちのマイカーが大橋に殺到する。サウジ・バーレーン架橋はイスラム過激派にとって、いわば絶好の攻撃ポイントなのだ。 一方、右掲の記事(=『サウジでついに始まった外国人の「大脱出」』)にある通り、このところのサウジ国内の治安悪化を受けて、サウジ勤務の欧米ビジネスマンが家族をバーレーンに避難させたり、本人が移住したりするケースも増えている。彼らを狙ったテロ攻撃がサウジからバーレーンへと拡大するリスクも無視できないものになりつつある。両国の関係当局も事態を重く見ており、治安対策の強化に乗り出している。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。