ハノイで十月上旬に開催されるアジア欧州会議(ASEM)首脳会議を前に、ASEMへのカンボジア、ラオス、ミャンマーの三国同時加盟を求める東南アジア諸国連合(ASEAN)と、欧州連合(EU)の対立が深刻化している。EUが先の「拡大」で加わった中東欧十カ国のASEMへの加盟を要求しながら、ミャンマーの加盟は拒否しているためだ。 EUは、民主派勢力への弾圧を強めるミャンマー軍政当局のみならず、ASEANの「連帯責任」を問う腹で、七月と九月に欧州で開催予定だったASEM閣僚会合の中止を決定。一方、域外からの内政干渉を極端に嫌うASEANはEUに対抗心を燃やし、一斉にミャンマー擁護に回っている。 同時加盟を目指すカンボジア、ラオスは「ミャンマーを除外するなら加盟拒否」の方針を表明。打開困難とみたEU内には、ミャンマー加盟反対で最強硬派の英国とデンマークに妥協を促す声も上がり、ベトナムとともにアジア側の調整役を務める日本はASEMの存亡に関わると危機感を強めている。拡大問題を棚上げして原加盟国だけの首脳会議を開く可能性も出てきた。

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