ボコ・ハラム

執筆者:白戸圭一 2011年2月8日
エリア: アフリカ

 昨年12月24日、つまりクリスマスイブに、ナイジェリア中部プラトー州の州都ジョス市内で爆弾テロが発生しました。爆発はキリスト教徒が多く集まる屋外市場など7カ所で発生し、少なくとも80人が死亡したと伝えられています。

 同じ日、やはりナイジェリアの北東部に位置するボルノ州のマイドゥグリでキリスト教会が襲撃され、牧師ら6人が殺害されました。その一週間後の大晦日、今度は首都アブジャの市場で爆発があり、4人が死亡しました。

 クリスマスイブの爆発と教会襲撃で犯行声明を出したのは、「ボコ・ハラム」という組織です。「ボコ」はナイジェリア北部で話されているハウサ語で「西洋の知」「西洋の教育」などを意味し、「ハラム」はアラビア語で「禁忌」を意味します。ボコ・ハラームはその名の通り「西洋の知」を拒否する組織です。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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