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投稿者:lucky2012年10月02日15時25分
陸家嘴より
様々な記事で今回のデモで毛沢東の肖像画を掲げるのは現政権への失望や懐古的感情の現れという指摘を目にしますが、どうも違和感を覚えます。私は今上海の陸家嘴にいます。国慶節休みの真っ只中であり、人がごったがえしています。中には中国の国旗を持つ人たちも多くいます。これはナショナリズムの高まりではなく、そのへんでオジサンが1元で中国の国旗を売っているからです。先週北京を訪れた際に、80後か90後の若者が私にデモに参加したと言っていました。理由を聞くと“私、好奇心が強い方なので、皆参加してるし”とのこと。毛沢東の肖像画もこれに近いというのではないかというのが現場感覚です。そこで誰かに渡されたから毛沢東の肖像画を持った、皆参加しているから私も参加した。中国ビジネスに携わる身としては今回起きた破壊行為は非常に腹が立ち、そしてとても悔しいですが、中国の若者がその前の世代に比べそれほど反日かというとそうでもない気がします。それだけにその民衆パワーが簡単に別のところに移るかもしれません。
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投稿者:tamochan2012年10月02日21時37分
さらば中国。(日本企業はできる企業から早く撤退を!)
尖閣問題は日本、中国どちらの政府にしても内政への不満を転嫁するには好都合な出来事であったと思う。どちらにしても以下参照、日本企業は素早く撤退するのが一番の安全策だ。早く撤退した企業が今後のサバイバル競争に生き残れるだろう。理由以下。
①、国家体制が違う国とは付き合い出来ない。やはり、価値観を共有出来なければ無理。「政冷経熱」は一時の便法。今後、必ず今回以上の反日デモは発生する。欧米では既に中国経済の鈍化を予想し、撤退している企業も散見される。
前年比増加させているのは日本だけだ。
②、最早、中国は生産拠点としての魅力はなくなっている。進出するなら別の国を探すべき。又は「政官財」知恵を出し合い日本に復帰すれのもよい 。
とにかく傷を最小限に抑えて撤退するのが一番。「三十六計逃げるに如かず」
これは立派な兵法であり俊敏に撤退決定した方が最後は勝つ。
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投稿者:K. S.2012年10月02日22時51分
lucky様の御意見に興味
日本に住んでいる身としては、lucky様のような現地在住の方の意見は貴重で興味深いです。
ここの所、本記事のような趣旨の文章を非常に多く見るためか、「(記事の内容が)本当にそうなのか?」と逆に疑念を持ってしまい、悩ましい次第です。
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投稿者:The Sovereign2012年10月03日08時02分
なぜ中国で起きたような反日暴動が韓国で起きないのか
中国で反日デモが反日暴動にエスカレートして、日本企業の工場や店舗が焼き討ちされたニュースを見て、なぜ韓国の反日感情は暴動にまでエスカレートしないのだろうかとふと思いました。韓国も日本に対して領土問題を抱え、歴史認識に根ざした反日感情が存在しています。そして、中国も韓国も今年は大統領(英語ではどちらもPresident と呼ばれます)が交代する年です。

もちろん、両国には多くの相違点があり、領土問題では尖閣諸島を日本が実効支配しているのにたいして、竹島は韓国が実効支配していますし、政権交代も民主主義体制の韓国では選挙を通じて行われるのに対して、権威主義体制の中国では共産党大会を通じて指導者が交代します。

このような相違点が「どのように」反日感情が反日暴動にエスカレートするかということが素朴な疑問として出てきます。一つは、反日は超党派の感情なので選挙の争点にはなりにくく、一方で様々な問題(格差、汚職、失業などなど)に様々な不満をもつ人々を広く結集してデモを組織するにはいいテーマです。ということで、韓国では選挙が盛り上がるにつれて、人々の関心は税制など自分の生活に直接関わる問題に移っていき、反日感情は存在するものの「どの候補者が自分の不満を解消してくれるか」という問題が関心の中心になるでしょう。

一方、習近平氏の国家主席就任が既定路線の中国では「どの候補者が自分の不満を解消してくれるか」という問題は考えても意味がなく、「反日」という「安全」なテーマのデモに参加することによって、現指導部・新指導部に不満を表明するというのが意味ある「政治参加」になります。中国指導部もそれに気づいているからこそ、反日暴動が反政府暴動に拡大する前に手を打とうとしています。

ついでながら、焼き討ちのニュースを見て既視感を覚えたのですが、中国では汚職や税制、土地の不正収用などに不満をもった民衆が地方政府を焼き討ちする事件が頻繁に起こっていて、過去十年増える傾向にあります。中央政府は、国内に渦巻く不満を「地方政府の責任」として自らの正当性をアピールしてきたのですが、地方政府への不満が中央政府に転じることが最悪のシナリオです。

権威主義体制の下では、デモや暴動は、ほかの政治参加のチャンネルが閉ざされているので、「意味のある政治参加」になってしまいます。反日暴動の「意味」も政治体制の違いを考慮に入れると違った側面が見えてきます。
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投稿者:lucky2012年10月05日12時52分
青島で起きて大連で起きなかった理由
15,16日は外出の予定をすべてキャンセルして、家で日本の報道と中国の報道を見比べながら、北京、青島、大連、蘇州、東莞、香港にいる友人、知人達と情報交換し、デモの行方を案じていました。

知人からのデモに関する報告も場所により様子が違います。百度で流れる各地の反日行動のニュースも地域により過激さが異なります。

なぜ青島では暴徒が好き放題に暴れ、大連は静かなのか。

被害を受けた青島ジャスコは青島の街の中心から車で2時間ほどの開発区にあります。(青島の街の中心にもジャスコはありますが、こちらは被害を受けていないとのこと)。青島の開発区には多く東北地方からの農民工が出稼ぎに来ています。また、大学が集まっている場所でもあり多くの学生がいます。つまり、デモの参加者を動員しやすい場所です。
そして、何より公安の出動が遅れたため、規模が広がってしまったとのこと。青島の知人は開発区長は更迭されるのではと言っていました。
一方、大連は大したデモ行動は見られず、大連の友人に理由を聞くと"大連は公安がしっかりしているから"とのこと。

つまり、公安の治安維持の力加減と暴動の過激さは関係があるかもしれません。

それにしても、もう一つの違和感は重慶です。いつも暴れる重慶であまり反日デモのニュースを聞きません。重慶には知り合いがいないのでリアルな話が聞けませんが、今裁判中の政治スキャンダル事件と関係があるのではないかと疑ってしまいます。これ以上騒がれたくないという意味で。
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投稿者:bunkido2012年10月09日17時38分
デモは娯楽!?
luckyさんの最初のコメントに対して、K.S.さんが「本当にそうなのか」と疑念を持つと書いていらっしゃいました。私がこのコメントを読んで思い出したのは、約20年前に中国人の友人から聞いた天安門事件の話です。彼女は当時、上海の優秀な学生でしたが、天安門事件で祖国に失望し、それまでなんの縁もなかった日本に来たそうです。けれど、その彼女が言うには、民主化運動に参加していた学生の大半は、当初、あの活動を楽しんでいたそうです。日本でも有名になったウルケシなどの学生リーダーは、アイドルみたいな存在で、日本の女の子がジャニーズのコンサートに行くのと同じような感覚だったと。娯楽の少ない学生にとっては、刺激的なイベントだったのでしょうか。もちろん、中心的に活動していた学生たちにとっては決死の闘いだったでしょうし、軽い気持ちで参加していた私の友人も、結局、国を脱出することになり、実際には非常に重大な事件だったのですが。