フォーサイト編集部です。新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。本年は新年を迎えるに当たり、執筆者の方々に「2016年の注目点、気になること」をお聞きし、それを【地域編】と【テーマ編】にまとめてみました。こちらは【地域編】です。お楽しみください(順不同。タイトルをクリックすると、それぞれの執筆者の記事一覧ページにジャンプします)。

 

【中国・台湾:野嶋剛】日中関係は穏やか? 国民党は激震も

 日中関係はどう動くか。2015年は明らかに回復基調に入った。歴史問題や尖閣諸島問題で双方とも総じて抑制的な対応に徹し、雰囲気は良くなっている。16年は日中韓やG20、APEC(アジア太平洋経済協力会議)など、マルチの場での日中首脳会談は確実に組まれるだろう。米中関係でライバリー(競合的)な部分が目立ってくると、日中関係は安定するのが常。突発的な問題が起きさえしなければ、16年は南シナ海問題などで不安定さが続く米中関係の下で、日中関係は逆に穏やかな1年になるのではないだろうか。
 台湾では1月に総統選があり、5月に新総統が誕生する。いまのところ、民進党への政権交代が起きる可能性が高い。馬英九政権下で大きく改善した中台関係は、一時的に勢いを失うだろう。16年は中国にとって民進党政権に対する「観察期」になり、恐らく、大きな動きは出てこない。一方、台湾内政は総統選での負け方次第で、国民党の分裂や政界再編が起きる可能性がある。

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